なぜ歯の神経は残したほうがいいの?神経を抜くデメリットは?|福岡市東区香椎浜の歯医者あおき歯科・矯正歯科クリニック

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なぜ歯の神経は残したほうがいいの?神経を抜くデメリットは?

■なぜ歯の神経は残したほうがいいの?神経を抜くデメリットは?

皆さん、こんにちは。福岡市東区香椎浜のあおき歯科・矯正歯科クリニックです。歯の神経は歯の健康を保つ上で重要な役割を果たしています。しかし、虫歯や外傷などで神経がダメージを受けると、神経を抜く(抜髄する)治療が必要になることがあります。今回は、歯の神経を残すことの重要性と、神経を抜くデメリットについて詳しく解説します。歯科治療に関心のある方は、ぜひ参考にしてください。

▼歯の神経とは?

歯の神経は歯髄(しずい)とも呼ばれる組織で、歯の中心部に位置し、歯に栄養や酸素を供給する役割を果たしています。歯髄には血管や神経が豊富に含まれており、温度や痛みを感じる感覚神経も含まれています。この部分が健康であることは、歯の強度や感覚を保つために非常に重要です。

▼歯の神経を抜く必要性が生じる症状

◎歯髄炎

歯髄炎は、虫歯や外傷によって歯髄が炎症を起こす状態です。初期段階では痛みを感じることがありますが、放置すると炎症が進行し、歯髄が壊死してしまうことがあります。歯髄炎が進行すると、歯の神経を抜く必要が生じます。

◎歯髄壊死

歯髄壊死は、歯髄が死んでしまう状態を指します。これは、虫歯や外傷、歯髄炎が原因で起こります。歯髄が壊死すると、歯は痛みを感じなくなるため、患者さんは問題を自覚しにくくなります。壊死した歯髄は細菌感染の温床となり、根尖性歯髄炎のリスクが高まります。

◎根尖性歯髄炎

根尖性歯髄炎は、歯の根の先端部分に炎症が広がる状態です。歯髄壊死が進行すると、炎症が根尖部に及び、激しい痛みや腫れを引き起こします。この状態を放置すると、骨の破壊や歯の脱落に繋がることがあります。根尖性歯髄炎が発生した場合、神経を抜く治療が必要になります。

▼歯の神経を抜くデメリット

  1. 歯が脆くなる

歯の神経を抜くと、歯は栄養や酸素の供給を受けられなくなります。その結果、歯の強度が低下し、脆くなりやすくなります。脆くなった歯は、噛み合わせの力や外部からの衝撃に対して弱くなり、割れやすくなる可能性があります。特に、神経を抜いた歯はクラウン(被せ物)で補強することが一般的ですが、それでも完全な強度回復は難しい場合があります。

  1. 歯が変色することがある

神経を抜いた歯は、時間の経過とともに変色することがあります。これは、歯の内部に残った微量の血液や組織が分解されることによって引き起こされます。変色した歯は見た目に影響を与えるため、美観を気にする患者さんにとっては大きな問題となります。変色を防ぐためには、定期的なメンテナンスとホワイトニングなどの追加治療が必要となることがあります。

  1. 歯の異常を自覚しにくくなる

神経を抜いた歯は、感覚神経がなくなるため、痛みや温度変化などの異常を感じにくくなります。これにより、虫歯や歯周病などの問題が進行しても自覚症状が出にくく、気づかないうちに重症化するリスクが高まります。歯の異常を早期に発見し治療するためには、定期的な歯科検診が重要です。

  1. 根尖性歯周炎のリスクが生じる

神経を抜いた歯は、根尖(歯の根の先端)に炎症が起こるリスクがあります。これを根尖性歯周炎といい、放置すると骨の破壊や歯の脱落に繋がることがあります。根尖性歯周炎は、細菌感染が原因であり、神経を抜いた歯は細菌の侵入に対して防御力が低下しているため、特に注意が必要です。

▼歯の神経を残す治療

  1. MI治療(Minimal Intervention)

MI治療は、歯の健康を最大限に保ちながら、最小限の侵襲で治療を行う方法です。虫歯が進行する前に早期に発見し、歯髄にダメージを与えずに治療することが目指されます。これにより、歯の神経を残すことができ、歯の強度や感覚を保つことが可能です。MI治療では、高度な技術と設備が必要となるため、専門的な歯科医院での治療が推奨されます。

  1. 歯髄温存療法

歯髄温存療法は、虫歯が歯髄に達している場合でも、できるだけ歯髄を残すことを目指す治療法です。具体的には、感染した部分のみを取り除き、消毒した後に特殊な薬剤を使用して歯髄を保護します。これにより、歯髄の再生が促進され、歯の神経を保つことができます。歯髄温存療法は、患者さんの負担を軽減し、歯の寿命を延ばす効果が期待できます。

▼歯の神経を抜く手順について

歯の神経を抜く方法は、抜髄から根管治療、そして被せ物の装着までのステップがあります。まず、抜髄では、虫歯や感染が進行した歯の神経(歯髄)を取り除きます。次に、根管治療で歯の内部を清掃し、消毒した後、専用の材料で根管を充填します。これにより、再感染を防ぎ、歯を保護します。最後に、歯の強度を回復させるためにクラウン(被せ物)を装着します。クラウンは噛み合わせの力に耐えるように設計されており、患者さんの歯の機能と見た目を回復させます。この一連の手順により、歯の健康を維持し、長期的な使用を可能にします。

▼歯の神経を抜かないためにできること

歯の神経を抜くことは、多くの患者さんにとって避けたい治療の一つです。そこで重要となるのが「定期検診」です。

◎定期検診の重要性

歯の神経を抜く原因の多くは、虫歯の進行です。虫歯は早期発見・早期治療が最も重要です。最低3〜4ヶ月に一回の定期検診を受けることで、虫歯が初期段階で発見される可能性が高まり、簡単な治療で済むことが多くなります。定期検診では、歯科医師が専門的な器具と技術を用いて、目に見えない虫歯や歯周病の兆候を早期に発見します。これにより、歯の神経を保護し、健康な状態を維持することができます。

◎定期検診の費用と虫歯治療の費用の比較

定期検診にかかる費用は、1回あたり3,000円程度です。年に4回の検診を受けた場合でも、年間の費用は約12,000円となります。一方で、歯の神経を抜く治療(抜髄治療)は、保険適用でも約5,000円から10,000円、さらにクラウンやインレーの装着が必要な場合、その費用は約20,000円から50,000円を超えることもあります。もし歯を失った場合、インプラント治療やブリッジ治療が必要となり、その費用は数十万円にもなります。

このように、定期検診にかかる費用は、虫歯や歯周病が進行した後の治療費と比較すると非常に低コストです。定期検診を受けることで、歯の健康を保ち、大きな治療費を避けることができるため、非常に経済的です。

◎虫歯は予防することが何より重要

歯の健康を守るためには、定期検診と日々のケアが欠かせません。虫歯は進行すると痛みや不快感を伴い、最終的には歯の神経を抜く治療が必要になることがあります。定期検診を受けることで、虫歯の初期段階での発見と治療が可能になり、歯の神経を保護することができます。また、歯の清掃やフッ素塗布など、予防的な処置を受けることで、虫歯や歯周病のリスクを大幅に減少させることができます。

▼まとめ

今回は、歯の神経を残すことの重要性と神経を抜くデメリットについて解説しました。歯の神経を抜くと、歯が脆くなりやすく、変色や異常を自覚しにくくなるなどの問題が生じます。これらのデメリットを避けるためには、MI治療や歯髄温存療法などの方法で歯の神経を保護することが大切です。患者さんにとって最適な治療法を選択するために、歯科医師としっかり相談し、適切な治療を受けることをお勧めします。皆さんの歯の健康を守るために、定期的な歯科検診と予防ケアを欠かさず行いましょう。

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