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根管治療後に噛むと痛みがある・ずきずきする
■根管治療後に噛むと痛みがある・ずきずきする
皆さん、こんにちは。福岡市東区香椎浜のあおき歯科・矯正歯科クリニックです。根管治療を受けた後、噛むと痛みを感じたり、ずきずきとした不快感が残ることがあります。このような痛みは、治療後にしばらく続くことがありますが、その原因は様々です。
本コラムでは、根管治療の前、治療中、そして治療後の痛みの原因について詳しく解説いたします。痛みがあると、日常生活にも影響が出るため、その原因を知り、適切な対処法を理解することが重要です。根管治療後の痛みについて詳しく学んでいただき、少しでも不安を和らげるお手伝いができればと思います。
▼根管治療前の痛みの原因
はじめに、根管治療を行う前にずきずきしたりする症状の原因について解説します。
◎虫歯による痛み
根管治療が必要になる最も一般的な理由は、進行した虫歯です。虫歯が進行すると、歯の内部の神経まで達し、強い痛みを引き起こします。この段階での痛みは、冷たいものや甘いものを摂取した際に鋭い痛みとして感じられることが多いです。
◎歯髄炎による痛み
虫歯が進行して歯髄に炎症が起こると、歯髄炎となります。歯髄炎は、歯の内部の神経や血管が炎症を起こしている状態で、痛みが持続し、特に夜間に悪化することが多いです。痛みが強く、鎮痛剤で一時的に緩和されても根本的な解決にはなりません。
この歯髄炎が虫歯による主な痛みなので、本質的には上段と同じものと考えられます。ただし、エナメル質や象牙質の虫歯ではまだ感染が神経に達していなくても、知覚過敏のような症状が現れるため、広義の意味では異なる原因といえます。
◎歯の破損による痛み
外傷や強い咬合力によって歯が破損すると、内部の神経が露出し、激しい痛みを引き起こします。歯が割れたり、欠けたりすることで、痛みが発生し、根管治療が必要となることがあります。
▼根管治療中の痛みの原因
次に、根管治療を受けている最中の痛みについてです。根管治療で痛いと感じるのは、以下のような理由からです。
◎治療による神経への刺激
根管治療では、歯の内部の神経を除去し、清掃を行います。この過程で神経が刺激されることにより、痛みを感じることがあります。特に麻酔が十分に効いていない場合や、神経が非常に敏感な場合に痛みが発生することがあります。
◎治療器具による刺激
治療中に使用する器具が歯根の先端に接触すると、炎症を引き起こし、痛みを伴うことがあります。これは治療中に稀に起こることですが、適切な技術と経験を持つ歯科医師による処置でリスクを最小限に抑えることが可能です。
◎麻酔の効き方の違い
麻酔が個々の患者さんに対して異なる効き方をすることがあります。麻酔が十分に効いていない場合、治療中に痛みを感じることがあります。特に炎症が強い場合、麻酔が効きにくくなることがあり、そのために痛みが残ることがあります。
▼根管治療後の痛みの原因
続いては、根管治療が終わった後に痛いと感じる原因について解説します。
◎組織の炎症
根管治療後、治療した部分の周囲の組織に炎症が起こることがあります。これは、治療中に発生した刺激や、根管の中の残存物が原因で発生することが多いです。この炎症は通常、一時的なもので、数日から1週間程度で改善することが期待されます。
◎噛み合わせの問題
治療後に噛み合わせが微妙に変わることがあります。これにより、噛んだときに痛みを感じることがあります。噛み合わせの調整が必要な場合、歯科医師が適切に対応しますので、早めに相談することが大切です。
◎根管の再感染
根管治療後に再感染が起こることがあります。これは、治療中に完全に清掃されなかった細菌が残存し、再び感染を引き起こす場合です。再感染による痛みは、特に治療後しばらくしてから発生することが多いです。
◎周囲の歯への影響
隣接する歯や周囲の組織に影響が及び、痛みを引き起こすことがあります。これは、根管治療が行われた歯だけでなく、周囲の歯や歯茎にもストレスがかかるためです。
◎治療が不十分だった
稀に、治療が完全に成功しなかった場合、痛みが持続することがあります。これは、根管内の清掃が不十分であったり、詰め物が完全に密閉されていなかったりする場合に起こることがあります。このような場合、追加の治療が必要になることがあります。
◎歯の破損
治療後に歯が破損すると、痛みが再発することがあります。特に治療後の歯は脆くなっていることが多く、強い力が加わると破損しやすくなります。破損が原因で痛みが発生した場合、早急な処置が必要です。
根管治療後の痛みは、治療過程の一部であることが多く、通常は時間と共に軽減されますが、痛みが続く場合や悪化する場合は、歯科医師に相談することが重要です。治療後の適切なケアと定期的なチェックアップが、快適な生活を取り戻すための鍵となります。
▼根管治療後の痛みへの対処法
根管治療後もずきずき・じんじんと痛みが続く場合は、以下の方法で対処しましょう。根管治療後の痛みへの対処法としては、対症療法と原因療法の2つに分けられます。
【対症療法】
- 冷湿布の使用
根管治療後の痛みや腫れを軽減するために、冷湿布が効果的です。冷却することで、炎症が抑えられ、痛みを一時的に和らげることができます。
- 鎮痛剤の服用
痛みが強い場合は、市販の鎮痛剤を使用することが有効です。ただし、使用方法を守り、長期間の服用は避けるようにしましょう。
- 柔らかい食べ物を摂取する
治療後は歯が敏感になっているため、柔らかい食べ物を選び、硬い食べ物を避けることで、噛み合わせによる痛みを軽減できます。
- 休息を取る
ストレスや疲労が痛みを増幅させることがあります。十分な休息を取り、リラックスすることで、痛みを和らげることができます。
【原因療法】
- 根管内の再治療
痛みが続く場合、根管内に感染が残っている可能性があります。再度治療を行うことで、感染源を取り除き、痛みを解消できます。
- 周囲組織の炎症治療
根管治療後に周囲組織が炎症を起こしている場合、抗生物質や抗炎症薬を使用することで、炎症を抑え、痛みを緩和できます。
- 歯の破損の修復
治療後の歯が脆弱になっている場合、破損が痛みの原因になることがあります。歯の修復を行うことで、痛みを防ぐことができます。
- 噛み合わせの調整
噛み合わせが不適切だと、痛みが続くことがあります。歯科医師に相談し、適切な調整を行うことで痛みを軽減できます。
5. 抜歯
上位の原因療法が奏功せず、依然としてずきずきする痛みが残っている場合は、抜歯を選択せざるを得ません。根管内、あるいは根尖の病巣をきれいに取り除くには、歯そのものを抜く他ない場合もあるのです。抜歯をした後は傷跡の治癒を待って、入れ歯やブリッジ、インプラントといった補綴治療を行います。
根管治療後の痛みを感じる場合は、これらの対処法を検討し、適切な治療を受けることが重要です。痛みを軽減し、歯の健康を守るために、早めの対応を心がけましょう。
▼まとめ
今回は、根管治療後に噛むと痛みがある場合の原因や対処法を解説しました。根管治療後に痛みがある場合は、早めに対処し、歯科医師の指示に従うことが大切です。痛みの原因を理解し、適切に対応することで、歯の健康を長く保つことができます。お困りの際は、ぜひ福岡市東区香椎浜のあおき歯科・矯正歯科クリニックまでご相談ください。