カテゴリー:
歯が欠けたときの応急処置について
■歯が欠けたときの応急処置について
皆さん、こんにちは。福岡市東区香椎浜のあおき歯科・矯正歯科クリニックです。日常生活の中で、ふとした瞬間に「歯が欠けた!」と感じることは、誰にでも起こりうる事態です。このコラムでは、そんな時にどう対処すべきか、また歯が欠ける原因や治療法について詳しく解説します。歯は私たちの健康や美しさに大きく関わる重要な部分ですので、しっかりと対策を知っておくことが大切です。
▼歯が欠ける4つの原因
- 外傷
スポーツや事故、転倒などで顔や口に強い衝撃が加わると、歯が欠けることがあります。特に前歯は、衝撃を受けやすく、欠けるリスクが高い部位です。こうした外傷による歯の欠けは、痛みや出血を伴うことが多く、早急な対応が求められます。
- 歯ぎしり・食いしばり
寝ている間に無意識に行う歯ぎしりや、ストレスによって日常的に行う食いしばりも、歯を欠けさせる原因となります。これらの習慣は、歯に強い力を加え続けるため、歯がすり減り、ひびが入ったり欠けたりするリスクが高まります。
- 虫歯
虫歯が進行すると、歯の構造が弱くなり、ちょっとした刺激でも歯が欠けることがあります。特に、進行した虫歯では歯の内部が空洞化しているため、欠けやすくなります。歯の痛みや違和感を覚えたら、早めの受診が重要です。
- 酸蝕歯(さんしょくし)
酸性の飲食物を頻繁に摂取すると、歯のエナメル質が溶け出し、酸蝕歯を引き起こします。エナメル質が薄くなると、歯は弱くなり、欠けやすくなります。特に炭酸飲料や柑橘類をよく摂取する方は、注意が必要です。
▼歯が欠けた時にすべきこと(応急処置)
歯が欠けた時には、まず冷静に状況を確認しましょう。欠けた部分が大きい場合や痛みを感じる場合は、すぐに歯科医院を受診することが重要です。応急処置として、以下の手順を参考にしてください。
口をすすぐ: 口の中に血液や破片がある場合、ぬるま湯で優しくすすいで清潔に保ちます。
欠けた歯を保存: 欠けた歯の一部が残っている場合は、捨てずに保存し、歯科医院に持参します。
ガーゼで止血: 出血がある場合は、清潔なガーゼを使って軽く圧迫し、止血します。
冷やす: 腫れがある場合は、患部を冷やすことで痛みや腫れを軽減します。
▼歯が欠けた時にしてはいけないこと
歯が欠けた際に、してはいけない行動もいくつかあります。これらを守ることで、歯の状態を悪化させずに済みます。
欠けた部分を舌で触らない: 舌で触ると、さらに欠けたり、舌自体が傷ついたりすることがあります。
無理に噛まない: 欠けた歯で無理に食べ物を噛むと、歯がさらに欠けたり、痛みが増したりする可能性があります。
市販の接着剤を使用しない: 欠けた歯を市販の接着剤で修復しようとするのは危険です。接着剤が口内に入り、有害な影響を及ぼすことがあります。
▼歯が少し欠けただけなら放置もアリ?
歯が少し欠けただけであれば、特に痛みもないし、見た目にも大きな影響がないからと、つい放置してしまうことがあります。しかし、歯が欠けた場合、たとえそれがわずかなものであっても、放置することはおすすめできません。
まず、欠けた部分から虫歯が進行しやすくなるリスクがあります。歯のエナメル質が欠けると、内部の象牙質が露出し、細菌が入り込みやすくなります。この状態を放置すると、虫歯が進行し、さらなるダメージを受ける可能性が高まります。
また、欠けた部分が鋭くなっている場合、舌や口内の他の部分を傷つけるリスクもあります。小さな傷でも、繰り返し刺激を受けることで炎症を引き起こし、口内環境が悪化することがあります。
さらに、欠けた歯が噛み合わせに影響を与えることもあります。噛む力のバランスが崩れると、他の歯に過剰な負担がかかり、結果的に歯全体の健康が損なわれる可能性があります。
最後に、歯が欠けた原因を特定し、適切な治療を受けることが重要です。外傷や歯ぎしり、虫歯などが原因であれば、その原因を取り除くことで、将来的なリスクを軽減することができます。
このように、歯が少し欠けただけだからといって放置するのではなく、早めに歯科医院で適切な処置を受けることが大切です。歯が欠けた場合は、できるだけ早く受診し、健康な歯を保つための対策を講じましょう。
▼歯が欠けた時の治療法
歯が欠けた時の治療法は、欠けた部分の大きさや深さに応じて異なります。ここでは、軽度、中等度、重度の3つのケースに分けて解説します。
- 軽度の場合
欠けた部分が小さい場合は、コンポジットレジン(歯科用プラスチック)を使って欠けた部分を修復することが一般的です。この治療法は、短時間で完了し、見た目も自然に仕上がります。
- 中等度の場合
欠けた部分が大きい場合や、歯の神経に近い場合は、クラウン(被せ物)やインレー(詰め物)を使用して修復することが必要です。これにより、歯の機能を回復させ、長期的な保護が可能になります。
- 重度の場合
歯が大きく欠け、神経が露出している場合は、根管治療が必要になることがあります。この場合、神経を取り除き、感染を防ぐために歯の内部を清掃・消毒します。その後、クラウンを被せて歯を保護します。
◎欠けた歯の断片をそのまま戻せることもある?
欠けた歯の断片がきれいな形状であれば、そのまま元の位置に戻せる場合もあります。患部をきれいに清掃したのち、専用の接着剤を使って欠けた歯の断片を接着します。こうした治療が可能かどうかは検査をしてみなければわからないため、まずは歯科を受診することが大切です。
▼歯が欠けた時は歯根破折にも要注意!
歯が欠けた際には、目に見える部分だけでなく、歯根が割れている可能性にも注意が必要です。歯根破折は、表面に現れないため自覚症状が少なく、気づきにくい点が特徴です。そのため、見た目に大きな異常がない場合でも、内部で歯根が破折している可能性があり、放置するとさらに深刻な問題へと発展することがあります。
歯根破折は、痛みや違和感が生じにくいため、患者さん自身が気づかないことが多いです。しかし、歯根が破折していると、時間の経過とともに炎症が広がり、歯の保存が難しくなる場合があります。そのため、歯が欠けた場合は、見た目に異常がなくても、必ず歯科を受診することが重要です。
特に、歯根破折を正確に診断するためには、レントゲン撮影が不可欠です。レントゲンを撮らなければ、歯根が折れているかどうかはわかりません。歯が欠けた際に歯科医院でレントゲン検査を受けることで、早期に異常を発見し、適切な治療を受けることができます。
このように、歯が欠けた時は、見た目だけで判断せず、歯根の状態も含めてしっかりと診断を受けることが大切です。早期の治療によって、歯の健康を守ることができますので、歯が欠けた際には、放置せずに歯科医院での診察を受けるようにしましょう。
▼まとめ
歯が欠けた際には、まずは冷静に応急処置を行い、早めに歯科医院を受診することが大切です。適切な治療を受けることで、歯の健康と美しさを保つことができます。歯が欠ける原因を理解し、予防策を講じることで、将来的なリスクを減らすことができるでしょう。歯に関するお悩みやご相談があれば、ぜひ福岡市東区香椎浜のあおき歯科・矯正歯科クリニックまでお越しください。