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歯医者の定期検診はどのくらいの頻度でいけばいいの?
■歯医者の定期検診はどのくらいの頻度でいけばいいの?
皆さん、こんにちは。福岡市東区香椎浜のあおき歯科・矯正歯科クリニックです。今回は、「歯医者の定期検診はどのくらいの頻度でいけばいいの?」というテーマでお話しします。歯の健康を保つためには、日々のセルフケアだけでなく、定期的な歯医者での検診が非常に重要です。しかし、どのくらいの頻度で通うべきなのか、具体的に知らない方も多いのではないでしょうか。このコラムでは、定期検診の重要性とその内容、そして適切な通院頻度について詳しく解説していきます。
▼歯医者の定期検診(メンテナンス)とは?
歯医者の定期検診、またはメンテナンスは、患者さんが歯の健康を維持するために定期的に受ける診療です。自宅でのブラッシングやデンタルフロスだけでは取りきれない汚れや、初期のむし歯、歯周病の兆候を早期に発見し、適切な治療を行うことが目的です。特に、噛み合わせや歯列の状態をチェックすることで、長期的な健康を維持するためのアドバイスも提供されます。
▼歯医者の定期検診の内容
歯医者の定期検診では、次のような検査や処置を実施します。ここでは保険診療での定期検診を想定しています。
◎口腔内診査
まず、歯科医師が口腔内全体を検査し、むし歯や歯周病の有無、噛み合わせの状態を確認します。また、舌や頬の粘膜もチェックし、異常がないか確認します。
◎歯のクリーニング
歯に付着した歯垢や歯石を専門的に除去します。特に歯石は、家庭でのケアでは取り除けないため、定期的なクリーニングが必要です。
◎ブラッシング指導
患者さんのブラッシング方法を確認し、改善が必要な場合はアドバイスを行います。歯ブラシの選び方や正しい磨き方を知ることで、日々のケアがより効果的になります。
▼歯に汚れがつきやすい人の特徴
歯に汚れがつきやすい方は、次のような特徴があります。
歯列不正: 歯並びが悪いと、ブラッシングが十分に行き届かず、汚れが溜まりやすくなります。
飲食習慣: コーヒーや紅茶、赤ワインなどの色の濃い飲み物を頻繁に摂取する方は、歯に着色汚れがつきやすくなります。
唾液の量が少ない: 唾液には自然に汚れを洗い流す効果がありますが、唾液の分泌が少ないと、汚れが残りやすくなります。
▼口腔衛生状態が良好な人の特徴
逆に、口腔衛生が良好な方には以下の特徴があります。
正しいブラッシング習慣: 毎日のブラッシングを適切に行い、歯垢が蓄積しにくい。
定期的な歯医者の受診: 口腔内のチェックとクリーニングを定期的に行うことで、常に清潔な状態を保つ。
健康的な食習慣: 砂糖を多く含む食品を避け、バランスの取れた食生活を心がけている。
▼歯医者の定期検診の頻度について
続いては、今回のテーマである「歯医者の定期検診の頻度」についてです。
◎一般的な人は3~4ヵ月に1回
ほとんどの方は、3~4ヵ月に一度の頻度で定期検診を受けることが推奨されます。この期間であれば、初期のむし歯や歯周病を早期に発見し、適切な対応を取ることができます。
◎歯に汚れがつきやすい人は1~2ヵ月に1回
先述の特徴に該当する方、または歯周病や虫歯の既往歴がある方は、1~2ヵ月に一度の頻度での検診が理想的です。定期的にクリーニングを受けることで、トラブルを未然に防ぐことができます。1~2ヵ月に1回の頻度で歯医者の定期検診を受ける場合は、基本的に自費診療となる点に注意が必要です。歯周病治療後の状態を安定させるという名目での定期検診は、1~2ヵ月に1回でも例外的に保険診療となる場合があります。
▼定期検診を高頻度に受けても生涯医療費は安くなる?
定期的に歯医者で検診を受けることで、口腔疾患を早期に発見し、早期治療が可能になります。これにより、進行した病気の治療にかかる費用を抑え、結果的に生涯医療費を安くすることができます。また、定期検診を通じて口腔の健康を維持することで、全身の健康も保ちやすくなり、全体的な医療費の抑制にもつながります。歯医者の定期検診を高頻度に受けることは、経済的にも健康的にも賢明な選択です。
▼歯医者の定期検診で得られるメリット
◎むし歯や歯周病の早期発見
定期的に検診を受けることで、むし歯や歯周病の初期段階での発見が可能になります。早期に治療を始めることで、治療が短期間で済み、費用も抑えられます。
◎歯のクリーニングで口腔内を清潔に保つ
専門的なクリーニングで、日常のケアでは取り切れない汚れを除去し、口腔内を清潔に保つことができます。
◎歯の健康を長期間維持する
定期的なメンテナンスを受けることで、歯の健康を長期間維持し、将来的な歯の喪失リスクを減らすことができます。
◎ブラッシング技術の向上
定期的に指導を受けることで、ブラッシング技術が向上し、日々のセルフケアがより効果的になります。
◎安心感と健康的な生活
定期的に検診を受けることで、口腔内の健康状態に安心感を持つことができ、健康的な生活を送るための基盤が整います。
▼日本人は歯医者の定期検診を受けている人が少ない?
日本では、歯医者の定期検診を受ける人の割合が低いことが指摘されています。多くの方が歯に問題が発生してから歯医者に行く傾向が強く、痛みや不調を感じるまで放置してしまうことが一般的です。この状況は、口腔内の健康を維持するためには決して望ましいものではありません。
◎北欧では定期検診を受けるのが当たり前?
一方、北欧諸国では、歯医者の定期検診が一般的な習慣として根付いています。例えば、スウェーデンやノルウェーでは、子供の頃から定期的に歯科検診を受ける文化があり、成人になってもその習慣が続きます。この背景には、国全体での予防歯科の重要性が認識されており、歯科治療の質も高いことが挙げられます。定期検診を受けることで、むし歯や歯周病を未然に防ぎ、長期的に健康な歯を維持することが可能です。
◎日本人は痛くなったら歯医者に行く?
対照的に、日本では「痛くなったら歯医者に行く」という考え方が一般的です。多くの方が、症状が現れてから治療を受けることを選ぶため、結果的に重症化してからの治療が必要になるケースが多いのです。このような考え方は、むし歯や歯周病が進行してしまった状態で初めて治療を行うことになり、治療期間も長くなり、費用もかかります。歯医者の定期検診を受けることで、こうしたリスクを大幅に減らすことができるため、今後は予防歯科への意識を高めることが求められています。
日本でも、北欧諸国のように定期的な歯科検診を受けることが当たり前になる日が来ることを期待しつつ、私たち歯科医師はその意識向上に努めてまいります。ちなみに、近年は日本人の口腔ケアへの意識が高まる傾向にあり、定期検診の受診率も徐々に増加しています。令和4年度に実施された歯科疾患実態調査では、1年間で歯科検診を受診した人の割合は全体で58%に達していました。
▼まとめ
皆さん、いかがでしたか?歯医者の定期検診は、ただむし歯や歯周病を防ぐだけでなく、口腔内全体の健康を維持するための重要な手段です。定期的に検診を受けることで、安心して毎日の生活を送ることができるようになります。ご自身の口腔内状態に合わせた頻度で、定期的なメンテナンスを行いましょう。皆さんの健康をサポートするために、私たちあおき歯科・矯正歯科クリニックがお手伝いいたします。