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歯科医師が解説!親知らずは抜いたほうがいい?
■歯科医師が解説!親知らずは抜いたほうがいい?
皆さん、こんにちは。福岡市東区香椎浜のあおき歯科・矯正歯科クリニックです。今回は、多くの方が悩む「親知らずは抜いたほうがいいのか?」という疑問についてお話しします。
親知らずは、私たちの噛み合わせや口腔内の健康に大きな影響を与えることがあります。そのため、抜歯するべきかどうかを判断する際には、歯科医師の適切な診断が重要です。このコラムでは、親知らずの基本的な情報から、放置した場合のリスク、抜いた方が良い場合や抜かない方が良い場合の特徴、さらに抜歯にかかる費用について詳しく解説していきます。
▼そもそも親知らずとは?
親知らずとは、第三大臼歯とも呼ばれる、最後に生えてくる歯のことです。一般的に、10代後半から20代にかけて生えてくることが多く、他の歯と比べて噛み合わせや位置が不安定なことが特徴です。また、親知らずは必ずしも真っ直ぐに生えるとは限らず、斜めに生えてきたり、他の歯に影響を与えたりすることがあります。これが原因で、歯医者での定期検診時に問題が発見されることが多いです。
▼親知らずを放置するリスクについて
何らかの症状や問題を抱えている親知らずは、抜かずに放置していると以下に挙げるようなリスクが生じます。
◎隣接歯への影響
親知らずが斜めに生えてくると、隣接する第二大臼歯に押しつけられることがあります。これにより、噛み合わせが乱れたり、隣接歯が痛みを感じることがあります。特に、親知らずが完全に萌出していない場合、食べ物が詰まりやすくなり、むし歯や歯周病のリスクが高まります。
◎むし歯のリスク
親知らずがしっかりとブラッシングされていないと、むし歯になりやすいです。特に、歯列の後方に位置するため、ブラッシングが難しく、むし歯の進行が早くなることがあります。むし歯が進行すると、痛みが増し、他の歯にまで影響が及ぶ可能性があります。
◎歯周病のリスク
親知らずの周囲は、歯周ポケットが深くなりやすく、歯周病が発生するリスクが高まります。歯周病が進行すると、歯肉が腫れたり、出血が見られたりするようになります。これにより、歯肉が後退し、親知らずだけでなく、他の歯の歯根も露出する可能性があります。
◎嚢胞(のうほう)の形成
親知らずが完全に埋まっている場合、歯冠の周囲に嚢胞が形成されることがあります。この嚢胞が拡大すると、顎骨が侵食される危険があり、最悪の場合、顎の骨折や感染症の原因になることがあります。
◎口腔内の不快感
親知らずが萌出する際、歯肉や周囲の組織に炎症を引き起こすことがあります。これにより、噛む時の痛みや口臭の原因となることがあり、日常生活に支障をきたすことがあります。
▼抜いた方が良い親知らずの特徴
次に挙げるような特徴を持った親知らずは、適切な時期に抜いた方が良いといえます。
◎隣接歯を圧迫している親知らず
親知らずが隣接する第二大臼歯などを圧迫している場合、その影響で噛み合わせが悪くなったり、隣接歯がむし歯になりやすくなります。このような場合も、早期の抜歯が望ましいです。
◎繰り返し炎症を起こす親知らず
親知らずの周囲が繰り返し炎症を起こし、痛みや腫れが見られる場合、抜歯が必要です。放置すると、炎症が広がり、周囲の歯や組織に悪影響を与えることがあります。
◎歯列全体に影響を与える親知らず
親知らずが歯列全体に影響を及ぼし、歯の位置がずれたり、噛み合わせが悪くなる場合は、抜歯を検討することが重要です。特に、矯正治療を受けている患者さんの場合、親知らずが歯列に悪影響を及ぼす可能性があるため、抜歯が推奨されることがあります。
◎嚢胞が形成された親知らず
親知らずの周囲に嚢胞が形成されている場合、早期の抜歯が必要です。嚢胞は、顎骨に損傷を与える可能性があるため、早めの治療が望ましいです。
▼抜かなくても良い親知らずの特徴
次に挙げるような特徴を持つ親知らずは、無理に抜く必要はないでしょう。
◎健康に萌出している親知らず
親知らずが健康に萌出し、他の歯や噛み合わせに影響を与えていない場合、抜歯の必要はありません。このような親知らずは、定期的な歯科検診を受けて、状態を確認することが重要です。
◎十分なスペースがある場合
歯列に十分なスペースがあり、親知らずが他の歯を圧迫していない場合、抜歯の必要性は低いです。このような場合でも、歯医者での定期的なチェックを受けることが推奨されます。
◎むし歯や歯周病のリスクが低い場合
親知らずがむし歯や歯周病のリスクが低い場合、抜歯の必要はありません。ただし、ブラッシングやデンタルフロスなどの口腔ケアを徹底し、リスクを最小限に抑えることが重要です。
◎矯正治療に悪影響を与えない場合
親知らずが矯正治療に悪影響を与えない場合、抜歯の必要はありません。矯正治療中の患者さんは、担当歯科医師と相談し、適切な判断を下すことが求められます。
▼親知らずを抜かずに残すメリットは?
親知らずは、抜歯が必要とされることが多い一方で、状況によっては抜かずに残すメリットもあります。以下では、親知らずを抜かずに残すことで得られる4つのメリットを解説します。
- 噛み合わせの安定
親知らずが正常に萌出している場合、他の歯との噛み合わせがしっかりしていることがあります。この場合、親知らずが噛み合わせの一部を担うため、抜歯すると噛み合わせが乱れる可能性があります。
- 将来の歯科治療に役立つ可能性
親知らずが健全な状態であれば、将来的に他の歯が失われた際に、移植用の歯として利用できることがあります。特に、奥歯が失われた場合、親知らずを移植して補うことができる可能性があります。
- 自然な歯の保全
健康な歯をできるだけ多く残すことは、全体の歯列の安定性に寄与します。親知らずを無理に抜歯せず、自然な状態で保つことができれば、歯列全体の健康を維持する助けになります。
- 不必要な手術を避ける
抜歯は外科的処置であり、患者さんにとっては負担が大きいものです。親知らずが特に問題を引き起こしていない場合、不必要な手術を避けることで、体に負担をかけずに済むというメリットがあります。
親知らずの状態や位置によっては、無理に抜歯せずに残すことが理にかなっている場合もあります。抜歯の判断には、歯医者での診断が重要です。
▼親知らずを抜く時の費用はいくら?
親知らずの抜歯費用は、歯の状態や抜歯の難易度によって異なります。一般的に、保険適用の範囲内であれば、比較的安価で抜歯が可能です。具体的には1本数千円程度で抜歯できることが多いです。しかし、保険適用外のケースや、特に難しい位置にある親知らずの抜歯には、高額な費用がかかることがあります。例えば、骨を削る必要がある場合や、全身麻酔を使用する場合には、追加費用が発生することがあります。費用に関しては、歯医者での相談が必要です。
▼まとめ
今回は、親知らずは抜いた方が良いのか、それとも抜かずに残した方が良いのかという誰もが気になる疑問に福岡市東区香椎浜のあおき歯科・矯正歯科クリニックがお答えしました。皆さんの親知らずに関する悩みが少しでも解消されたでしょうか。親知らずは、一人ひとり異なる状況にあるため、歯科医師としっかり相談し、最適な治療を選択することが重要です。親知らずについてお悩みの方は、ぜひ当クリニックへご相談ください。適切な診断と治療で、皆さんの口腔内の健康を守ります。
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