歯が破折していたが、保存を試みた症例
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Before
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After
| 初診時年齢 | 45歳 |
|---|---|
| 性別 | 男 |
| 主訴 | 右上が腫れた |
| 治療内容 | 精密根管治療、意図的再植 |
| 治療回数・期間 | 8ヶ月 8回 |
| 治療費(治療当時) | 約70万 |

主訴である左下については別記事に掲載しております。
初診時にも右上の状態が悪いことは伝えていましたが、症状が無かったので様子をみていまいた。

それから9ヶ月後右の写真のように頬側(写真の上の部分)が腫れてしまいました。
その部分にGP(ガッタパーチャポイント)を挿入した状態のレントゲンが左になります。
レントゲンで右上5、6番の根尖部の透過像はやや大きくなっています。
またGPの位置が根尖になく、歯が破折している可能性が高い状態です。矯正して噛み合わせを改善したとはいえ、失活歯はただでさえ破折のリスクが高くなるため本来は咬頭被覆するべきだったと思いますが、その場合歯質の削除量が増えてしまうので悩ましかった。と推察されます。
歯周ポケットも深くなってしまっていました。
精密根管治療をおこなったのちに意図的再植をおこなうことにしました。
本来歯が破折してしまっている場合は抜歯の適応になるのですが、一度抜歯してその破折線を削って接着剤でとめて、咬頭被覆すると歯が開く力を以前より制御できるので保存できる場合があります。
しかし成功率は歯の割れ方にもよりますが論文にもよりますが、5年で30~70とかなりバラツキがあります。
予知性が高いのはインプラントなのですが、それも一生持つわけではありません。この方の年齢も考え、できるだけインプラントをする時期を少しでも遅らせた方が良い。
と患者さんと話し合い、保存することにしました

右下と特に右上の写真の部分が破折線があり、その部分の歯根膜が喪失しており、肉芽組織が入ってしまっています。

その部分を切削し、スーパーボンドで覆いました。そして元の位置に戻しました。

右のレントゲンが術後です。スーパーボンドで埋めたところは造影性があるので白く写っています。

その後、数ヶ月仮歯で生活してもらい、問題がないことを確認して最終補綴物の作製に入りました。
型採り(印象)するときは歯肉圧排をし、シリコン印象で境目を綺麗に出しています。


術前術後の比較です。6番の近心根根尖の透過像はまだ完全に治っていませんが、問題が起こるようであれば次は歯根端切除術で対応することにしています。
この記事を書いた時点でまだ1年4ヶ月しか経っていませんが、今後もメインテナンスで定期的にレントゲンを撮影させていただき経過を追っていきたいと思います。



