大学病院で抜歯と言われた歯を抜かずに保存できた症例
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Before
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After
初診時年齢 | 39歳 |
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性別 | 男性 |
主訴 | 根の治療をしてほしい |
治療内容 | マイクロスコープを使用した精密根管治療 |
治療費(治療当時) | 精密根管治療11万円 セラミッククラウン15万円 |
リスク・副作用 | 将来的な歯の破折 |
他院で治療中も排膿が止まらず抜歯になる。と言われ転院されました。
本来は治療中でも新たな細菌が侵入する可能性があるため蓋をしておかないといけないのですが、蓋をすると膿が溜まり
腫れてしまうので、蓋があいたままになっていました。
左のデンタルX線(部分的なレントゲン)で根の先の骨が溶けて黒く写っています。
三次元で写るCT画像ではもっとはっきりと骨の吸収、上顎洞(鼻とつながっている空洞)粘膜も肥厚がみられます。
成功率の高い、マイクロスコープを使用した精密根管治療もすすめましたが、従来の根管治療を希望されました。
しかし一向に排膿が止まらず、症状が改善されなかったので、大学病院に紹介することとなりました。
大学病院からのお返事はその歯は抜歯、場合によっては隣の歯は歯根端切除を行うかもしれない。とありました。
その後、以前説明した精密根管治療をご希望されました。
まずは非外科的な治療を行い排膿が少なくなりました。
しかし、それだけでは大きな改善が見られませんでしたので、外科的に対応することとしました。
根の中の原因はマイクロスコープで除去することができましたが、根の外の原因は外科的に対応しなければなりません。
根の先端3ミリを切除し、嚢胞を除去しました。
その後、MTAセメントによる根管充填をおこなった結果
骨の回復がみられました。歯根端切除を行うかもしれないといわれた隣の歯の先にも骨がしっかりと回復しています。
この表は、感染している歯はマイクロスコープを使用した精密根管治療で66%の成功率と言われています。(従来の方法では30%)
そこで治癒しない場合は外科(歯根端切除術)を併用すると81%に上昇し、更にマイクロスコープを使用したマイクロサージェリー(歯根端切除術)では90%以上、とされています。
ここまでしても、100%ではないので治らないケースや、治っても歯が弱くなって歯が折れてしまう可能性もありますが
今回抜歯と宣告された歯を残すことができたのはとても大きいことだと思います。