破折歯の対応マイクロスコープ精密根管治療
折れていて抜歯といわれた歯を残すことができた症例
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Before
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After
初診時年齢 | 45歳 |
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性別 | 女性 |
主訴 | 右上の歯が痛い 抜歯と言われた |
治療内容 | 再植 精密根管治療 |
治療回数・期間 | 5回 |
治療費(治療当時) | 約40万円 |
リスク・副作用 | 生着しない可能性 再破折の可能性 |
右上の歯が折れているので、他院で抜歯と説明を受けた患者さんが来院されました。
保険では抜歯だが、保険外では抜歯しない方法があることを説明しました。
その方法は一度抜歯して折れている部位を接着剤でとめて、植え戻す(再植)という方法です。
成功率は高くありませんが、うまくいけば何年かもってくれる場合がある。こと、ダメになったら抜歯であることを説明して保存を試みることになりました。
全体のレントゲンでは神経を取った歯もなく、他の歯は綺麗な状態でした。
しかし、噛み合わせで前歯が咬んでいない開咬の状態で不安のある咬み合わせです。
折れている歯は神経が死んでおり根の先に黒い影があります。右のCT上では上顎洞粘膜も肥厚しています。
歯の真ん中に亀裂が入っており、歯がパカパカ開く状態でした。
まずはラバーダムをかけた状態で根管治療をおこないました。内側に深く亀裂が入っているのがわかります。
その後、プラスチックの土台をたて、抜歯しました。
写真はすでに亀裂の部分を削ってその部位を接着剤でとめています。
そして、元に植え戻しました。
その後、仮歯で生活できるか確認後、問題がなかったので歯肉圧排をおこない精密な模型を作製しました。
咬み合わせがあまりよくないので、矯正をおすすめしましたが受けいられなかったので、適度にすり減ってくれる材料のゴールドを入れました。
まだ3年ちょっとの経過ですが、抜歯せずに機能させることができました。
今後もしっかりと経過を追っていきたいと思います。