抜歯しないといけない大きな虫歯がある歯を残せた症例
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Before
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After
初診時年齢 | 32歳 |
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性別 | 女性 |
主訴 | 右下が欠けた |
治療内容 | 精密根管治療(マイクロスコープ) 部分矯正(MTM) 歯冠長延長術 MTAセメント セラミッククラウン |
治療回数・期間 | 8ヶ月 |
治療費(治療当時) | 約50万円 |
リスク・副作用 | 将来的な歯の破折 |
右下が欠けたことを主訴に来院されました。
全体的な治療をご希望されたので、おこなっていきました。
今回は左上の歯について報告します。
奥から2番目の歯は神経に近い大きな虫歯があります。治療をすると神経を取らないといけないかもしれません。
神経を取ると歯の寿命が著しく悪くなります。
一番奥の歯は被せ物が合っておらず根の先にも黒い影ができており根の先が腐っています。以前の土台(歯の中の白い部分)が大きく、虫歯が大きかったことが伺えます。
被せ物を外してみると深い虫歯がありました。歯茎の高さより深い部分まで虫歯が進行しており、C4の状態です。
通常では抜歯しないといけないのです。
このように、虫歯が進行しても痛みが出ずに気付きにくいのも神経を取った歯のデメリットです。
このままでは根の治療中に唾液や血液が根の中に入ってきやすく、十分な治療がしにくい状態ですので
右のようにプラスチックで隔壁を作製し、ラバーダム防湿下でマイクロスコープを使用し精密根管治療を行いました。
それと同時に隣の歯の虫歯の治療をしました。
ここに関しては虫歯を除去後、神経が露出しましたがMTAセメントを使用し、神経を残すことができました。
根の治療終了後、一番奥の「歯茎の高さより深い部分まで虫歯があった」ことに対応していきます。
歯茎の上の部分に歯が出ていないといけないので、歯茎の位置を変えて歯を外科的に出していきます。
この処置を歯冠長延長術といいます。
このように歯茎の位置が変わり、保存できる状態になったのですが、この歯だけ歯茎の位置が高くて
このままでは歯磨きがしにくいです。
部分矯正をおこなって歯を挺出(引っ張り出す)させることで歯茎のラインを揃えました。
治療後の状態です。奥から2番目の歯は少しでも削る量を減らしました。
①大きな虫歯を除去したが、神経を残すことができた
②根の先の黒い影も治癒した
③歯磨きしやすいお口の環境をつくることができた
時間はかかりましたが、長持ちする被せ物が作製できました。
あとはメインテナンスで経過をしっかりとみていきたいと思います。