条件の悪い歯を、インプラントや矯正を駆使して治療した症例
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Before
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After
初診時年齢 | 50歳 |
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性別 | 女性 |
主訴 | 左が痛む |
治療内容 | マイクロスコープ 精密根管治療 インプラント 矯正 歯冠長延長術 セラミック |
治療回数・期間 | 12ヶ月 |
治療費(治療当時) | 約120万円 |
リスク・副作用 | 歯の破折 インプラント周囲炎 |
全体のレントゲンでは右上の歯が1本ないのがわかります。
左下も1本ないですが、ここはブリッジが入っているようです。
右上が1本ないまま放置されているので、奥の銀歯が前に倒れ込んでおり、すでに1本分のスペースはありません。
右は左に比べ噛む面積が小さいので、左ばかり噛んでおり左の負担が強くなって、痛みが出た。とも考えられます。
また、右の一本もはみ出しており右で噛みにくい原因にもなっています。
本来は全体的な矯正、右上の治療も必要ですが、今回は左の上下の治療のみをご希望されました。
左上のレントゲンです。奥から2番目の歯の根の先に黒い影があり、根が膿んでいます。
奥の歯の被せ物がフィットが悪くなっています。
まずこの2本はマイクロスコープによる精密根管治療をおこないました。
曲がっている根の先までしっかりと治療することができました。
また、このように歯と歯の間が近くなってしまっています。このままでは型採りがしにくかったり、フィットが悪くなってしまします。
右の写真のようにセパレーターやモジュールを使用して、距離を離しました。
次に左下の治療です。
ブリッジが入っていましたが、すでに奥の歯の神経を取っており、ブリッジでは歯の負担が強いので、インプラント治療をすることにしました。
処置前の写真の矢印のように、歯茎の上の歯の高さが低いです。このままでは被せても歯が取れやすかったりします。
インプラント治療と同時に、歯冠長延長術といって歯の長さを長くしました。
少しわかりにくいかもしれませんが、左下の一番置くのはのレントゲンを見ると、歯が傾いているので短く見えます。
右の写真でも、丸をつけた歯は頬側の部分が見えすぎています。
傾いたままでは、歯に負担がかかりやすいので、矯正をすることにしました。
本来は、線のように一直線に並んで欲しいのですが、矢印のように傾いているので、矯正用のスクリューを使用し傾きを是正しました。
その後、型採りする時もしっかりと二重圧排をし、境目を綺麗に出した模型で技工士さんにセラミック(ジルコニア)を作製してもらいました。
赤い線の部分も改善傾向にあり(レントゲン上に完治するには3年かかる)、フィットのよいセラミックをセットしました。
傾きを是正したので、レントゲン上で歯が長く見えています。
すでに歯の神経がない歯は、将来的に歯が折れやすいのですが、インプラントや矯正、歯冠長延長術などを駆使し
できるだけ歯が長持ちする状態に持っていくことができました。
依然として右側に問題がありますが、定期的なメインテナンスで経過を追っていこうと思います。