歯が無い状態を放置してしまったら
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Before
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After
今回は歯が無い状態を放置してしまったらどうなるかについてお話しさせていただきます。
歯が無い状態とは、抜いた後その部分に何もせずにいる状態だけでなく、かぶせ物が取れたまま放置している状態も含まれます。
主訴は前歯が動く、ということで来院されました。これは奥歯が無いので前歯に負担がかかってしまい前歯が折れてしまっていました。
ここに関してはhttps://www.apollonia-dc.com/case/奥歯が無い状態で、前歯が折れてしまった症例/
で説明させていただきます。
これは全体のレントゲン写真です。
右下(正面から見て左下)は破片みたいなうっすら歯があるのがわかります。左下の奥には大きな歯が1本ありますが周りの白い骨は溶けて黒くなっていまい抜歯となりました。
下の歯が無い状態で放置してしまっていますので、青丸の2本の歯は噛み合う相手がいないので垂れ下がってしまい、歯茎のラインも不揃いになっています。
下に歯をいれようともスペースが無くなってしまっています。
そこでスペースを作るために2つ方法があります。
一つ目は矯正的圧下と言って、矯正で歯を押し込める方法です。
この方法は矯正が必要な点と、時間がかかるデメリットがありますが、歯を削らなくて良いので一番良い方法です。
この方法については
で説明致します。
もう一つは歯を削る方法です。
この赤線のラインに最終的なかぶせ物がくるように削ります。
かぶせ物の厚み分も必要ですので削る量は多いです。
削ると矢印のように歯の高さが短くなります。
それだけでなく歯の中には歯髄といって歯の神経がありますので、削ればしみる症状が出たり、最悪の場合は神経を取らなければなりません。神経を取ると歯の寿命は平均で2〜30年と言われています。
歯の舌側(口蓋側)の写真です。矢印が短く、この状態ではかぶせるというより乗っけるというようになり、かぶせ物が取れやすくなります。
そこで「歯冠長延長術」という手術をおこないます。
外科的に歯の長さ(歯冠長)を長く(延長)しています。
ほっぺた側(頬側)は元々そこまで短くなかったのですが、舌側(口蓋側)はかなり延長しました。
矢印のように長くなっているのがわかります。
下の歯がない部分には4本のインプラントで対応しました。
赤線の1本は残念ながら神経を取ることになりましたが、咬合平面(噛み合わせの面)を揃えることができました。