歯を抜かない治療
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Before
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After
初診時年齢 | 34歳 |
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性別 | 女性 |
主訴 | 歯が取れた |
治療内容 | セラミッククラウン 精密根管治療 矯正治療 |
全体的に治療を行なったのですが、特に大きな問題がある左下の治療について報告します。
左下の一番奥の歯(#37)は様々な問題があります。
この歯の奥の部分(遠心部・レントゲンで右の方)の虫歯(カリエス)が歯茎より深く、本来であれば抜歯しないといけないくらいの深さです。
この歯の奥の根(遠心根)の中に治療の道具が破折して残ってしまっています。このままでは根の中を綺麗にお掃除することができません。これを取らないといけませんが、マイクロスコープが無いと除去することができません。
この歯の奥の根(遠心根)の先(根尖)に黒い影(透過像)があります。この歯に細菌が存在するため、顎の骨が溶けて黒く写っている状態です。
マイクロスコープで破折器具を除去し、根の中をつめました。(根管充填)
次に深い虫歯への対応をします。
矯正を行い、歯を引っ張り出します。(矯正的挺出)
青い点線で比較すると、数ミリ引っ張り出せたのがわかります。
しかし、生体は歯が抜けないように歯茎もくっついてきます。
歯茎の下の健康な歯の部分まで歯を引っ張りたいのに、歯茎がくっついてきてしまうので
その部分については、歯周外科で対応します。
左のレントゲンは骨の位置(赤い矢印)と健康な歯の部分(青い矢印)に少ししか差がありません。
つまり虫歯がレントゲンで写らない歯茎の下まで深かった状態です。
歯周外科後(歯冠長延長後)、ふたつの矢印に差が出たのがわかります。
こうすることで健康な部分が歯茎の上にきて歯を残すことができますし、かぶせ物の型採りも綺麗にできます。
CT上で遠心部の透過像も治癒状態にあります。
右のレントゲンは治療前に比べ、#37の遠心部のかぶせ物と歯との段差が無く長持ちするかぶせ物を作製することができました。