骨がないところに骨増成してインプラント治療をおこなった症例
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Before
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After
初診時年齢 | 51歳 |
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性別 | 男性 |
主訴 | 左下が数年前から腫れを繰り返す |
治療内容 | インプラント・骨増成 |
治療費(治療当時) | 約100万円 |
リスク・副作用 | 被せ物の破折、インプラント周囲炎 |
左下が数年前から腫れを繰り返すということで来院されました。
上の左端レントゲン:奥から2番目の歯が折れてしまっており、隣の歯も大きく骨吸収がある。
上の真ん中レントゲン:悪い歯を抜いて隣の歯の骨吸収が回復しないか待機している
上の右端レントゲン:3ヶ月してもあまり回復しないので、神経の治療をした
その後数ヶ月待っても回復しないので残念ながら、隣の歯も抜歯しました。
このように悪い歯を治療せずにいると、健康な歯まで悪くなる可能性があります。
歯がないところは入れ歯ではなく、インプラント治療をご希望されましたので
SIMPLANTというソフトでシミュレーションをして、サージカルガイドを作製しました。
まず骨の吸収が激しかったので、インプラントを埋入する前に、骨を造る手術をしました。(骨増成)
採血をおこなって、特殊な器械で遠心分離にかけ、成長因子を抽出します。
歯茎を切開し、骨の状態を確認すると幅と高さが減じています。
成長因子と人工の骨を混ぜることで骨ができやすくなります。
その後傷口が広がることもなく、安定していました。
患者さんの持病の手術などあり期間が空いてしまいましたがインプラントを埋入する計画をたてました。
骨増成前に比べ、幅と高さが増えています。
そのおかげで、インプラントを計画どおりに埋入することができました。
その間に反対側もインプラントをおこなっております。
骨を造る作業をおこなう必要があったため、歯茎の形態が悪くなりました。
可動する粘膜が入り込んでおり、このままでは歯磨きしづらく、インプラントも炎症がしやすい。といわれております。
そこで、遊離歯肉移植術(FGG)といって、上顎から固い歯茎を移植する手術をしました。
それにより、インプラント周りの歯茎の状態がよくなりました。
まず1st仮歯を作製して、もの詰まりなどの問題を解決するために、形態を模索しました。
汚れがついているところは赤く染まっています。
その後、インプラントの型採りをしました。2本のインプラントをつなぎますので、精度をあげるために
工夫しました。
まずはファイナルの仮歯を装着し、問題がないことを確認します。
いきなり最終のかぶせものを作製して問題があれば大きく修正することができません。
その後、問題がないことを確認し、その仮歯と同じ形態でジルコニア(セラミック)を作製しました。
歯が無かったところでしっかりと噛むことができ、残りの歯を守ることができます。
インプラントは金属なので虫歯にはなりませんが、自分の歯と同じように歯周病にはなります。
現在も定期的にメインテナンスをおこなっております。